SNSのID乗っ取りで詐欺メッセージ拡散【稲毛新聞2025年7月号】

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  2025/7/3
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 現在日本でSNS利用者は約8千5百万人、普及率は約8割と言われている(㈱ICT総研 2024年度SNS利用動向に関する調査結果)。若い世代のみならず幅広い年代の人がSNSを活用し子どもや孫、友人とのコミュニケーションを楽しんでいる。また仕事ツールとして利用している人も多く、現代人にとってSNSは欠かせない存在になった。

 しかし昨今は、そんな便利なSNSを悪用し、様々な手口で詐欺サイトへ誘導したり、個人情報を入手する案件が横行している。昨年の特殊詐欺の被害額は約722億円と言われ過去最高であり、現在も増加傾向だ。手軽で身近な存在のスマートフォンやSNSではあるが、すぐそこに犯罪が忍び寄っているのかもしれない。 

詐欺サイトへの誘導目的か

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「今年4月、インスタグラムIDが乗っ取られ、自分のアカウントから知人友人へ詐欺につながるかもしれないメールが送られてしまった。パスワードの管理には十分気を付けていたのだが申し訳なかった」と語ったのは、千葉市議会議員の守屋聡氏。
 
 警察にも相談したが、実際に被害が出ているわけではないので警察での対応は難しいと言われたという。警察によれば、SNSなどのアカウントの乗っ取りに伴う詐欺メッセージ送信などは、外国などのサーバーをいくつか経由しているため犯人特定は困難で、実際に被害がないケースも多く、ID乗っ取り案件の全てを把握しているわけではないとのこと。
 
 最近証券会社の顧客口座が乗っ取られる被害相談が急増しているとの報道をよく耳にするが、SNSのID乗っ取りで得た情報を使った可能性も否めない。

相次ぐID乗っ取りの手口とは?

 守屋氏のインスタグラムアカウントが乗っ取られ、フォロワーの人々に送られたメッセ―ジは「オンラインインフルエンサープログラムのアンバサダーに立候補しているのですが投票していただけますか」という内容だった。メッセージを受け取った人が応答すると、サイトにアクセスし個人情報を登録するように促されたとのこと。

 乗っ取られたアカウントからメッセージを受け取ったAさん(仮名)が、誘導されたサイトにアクセスし個人情報を入力した。その情報を元にしたのか、さらにAさんのアカウントも乗っ取られ、同じように詐欺メッセージが拡散されたという。
 
 このオンラインインフルエンサープログラム関連のSNS詐欺は、ネット上で注意喚起を呼びかけている人が多く、全国的に広がっている手口の一つのようだ。

 ID乗っ取り犯の目的は、本人になりすまし、SNSのフォロワーや友人にメッセージを送り、実在する業者を装った偽サイトに誘導し個人情報を入力させることだと考えられる。さらにアカウント内にあるメッセージやトーク履歴、写真など個人情報を入手し、金銭目的のために第三者に情報を売ることもあるという。

「知らない人からのメッセージには応答しない。サイトにはアクセスしない」という心構えを持っている人は多い。しかし今回のように、親しい友人や、議員のように公的立場の人からのメッセージだと、つい信用してしまうことに付け込んだ手口だ。

乗っ取りや詐欺への自主対策

 SNS詐欺対策として私たちができることをあげてみよう。

①怪しいメッセージは無視し紹介されたサイトにはアクセスしない
②ログインパスワードは英数記号を含め複雑化する
③ログインは二段階認証を設定する
④ログインされたらメール等で通知が届く設定にする
⑤長期に渡り放置しているSNSがあるならIDを削除する
⑥「おかしい」と感じたら本人からのメッセージなのか別手段で確認する。

そして、ID乗っ取り被害にあったらSNSの窓口に通報することも重要だ。
 
 詐欺メールの例

 ほかにも小紙編集部スタッフが実際に受けとったSNS詐欺メッセージには次のようなものがあった。「いまが会議中で抜けられないのだが、会議に使うためコンビニに行ってアップルカードを購入してほしい。そのカードに記載されている番号を教えてほしい」「冷凍食品販売を始めたので購入してほしい。購入代は私があなたの口座に振り込むから実質無料で冷凍食品が手に入る。振込先の口座番号を教えてほしい」。これらはID乗っ取り犯からのメッセージだった。このように詐欺手口は巧妙でかつ様々なパターンが存在する。
 

最新情報を確認しリスクを減らそう  

 現在SNSやネットではどのような詐欺が横行しているのか、自ら最新情報を取りに行き、確認しておけば、同じ内容のメッセージが送られてきたときに、いち早く詐欺だと気づくことができるだろう。
 
 警視庁のウェブサイト、特殊詐欺対策ページでは特殊詐欺の発生状況や最新手口を公表し注意喚起を促している。詐欺犯は次から次へと巧妙に手口を変えて騙そうとするが、あらかじめその手口を知ることで騙されるリスクを少しでも減らしたいものだ。自分の身は自身で守るしかないのだから。

▼警視庁特殊詐欺対策ウェブサイト
https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/index.html
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